Offhand & Off-the-cuff:思いつきの、とっさの、即興の

performance in the-park

Offhand(形容詞・副詞):

1.Unprepared: 即席の、とっさの、ぶっつけ本番の
2.Careless: 不用意な、無作法な、ぶっきらぼうな

1とほぼ同じ意味の語:impromptu, ad-lib, improvised, off-the-cuff, spontaneous(ly), extempore, etc.
(文脈により)2とほぼ同じ意味の語:abrupt, casual, curt, glib, perfunctory, uninterested, etc.

Offhand は「事前に準備をしていない、考えていない(without previous thought or preparation)」ということが基本にあって、それ以上の意味を持たない場合(1)と、それが悪い方向に転んだ場合(2)の2方向の意味を持つ。メディアなどで使われる offhand は2の用法の方がむしろ多い。

“I can’t come up with any other example offhand.”

:その他の例は、今とっさには思いつきません。(1の用法)

offhand comment, offhand remark, offhand reply, offhand answer

:不用意な(無神経な、無作法な)コメント、発言、返事、回答(2の用法)

新聞などメディアでの使用例1

Abroad, the potential for unforeseen consequences from offhand remarks increases exponentially. There are so many more people to alienate, so many more conflicts to inflame.

:海外では、(大統領の)不用意な発言から予期しない結果が生まれる可能性が、格段と増えている。あまりにも次々と多くの人達との関係を疎遠にし、激化する衝突があまりにも多くなっている。

(The Guardian – Reluctant traveler Trump takes off on trip fraught with diplomatic dangers) 1)The Guardian – Reluctant traveler Trump takes off on trip fraught with diplomatic dangers

使用例2

“Maybe there are artists that you can bring up that I’ll agree with, but, offhand, I can’t think of anyone.”

:「もしかするとあなたが例として挙げるアーティストの中で、私がそうだ(自分と表現方法が近い)と言える人がいるかも知れません。でも今この場では、誰も思いつきませんね。」

解説:インタビュアー(マイケル・クレイグ・マーティン)の「あなたと同じように時間・空間の関係、主体と客体の関係を捉えるアーティストはいますか?」という質問に対して、現代美術家のリチャード・セラが答えたコメント。

(The Guardian – Richard Serra and Michael Craig-Martin’s 50-year conversation about art) 2)The Guardian – Richard Serra and Michael Craig-Martin’s 50-year conversation about art

Off-the-cuff(形容詞・副詞):Offhand の1と同じ

Off-the-cuff(ハイフンは無くても可、以下は無しで)は、俳優やスピーチを行う人が、原稿を書いて覚えたセリフよりも、自分のシャツの袖口(cuff)に走り書きしたメモを頼りに演技・スピーチを行う様子から出来たイディオム(1930年代後半)。こちらには、Offhand にある「無作法な、ぶっきらぼうな」といったネガティブな意味・用法はない。3)Online Etymology Dictionary – Cuff

カンペ(カンニングペーパー)であっても何かしらメモを「用意」しているというのは, “unprepared” ではないのでは?という疑問が浮かんでくるが、この文脈で “prepared” とされるのは、家や仕事場で事前に原稿を用意し、それを読み上げることなので、カンペは即興の範囲だと見なされるという主張が見受けられる(下のチャップリンの項も参照のこと)。

また、袖口にペンで走り書きをするのだから、off the cuff ではなくて “on” the cuff なのでは?と疑問視する方もいると思うが、on the cuff はアメリカ語源の「クレジットで、掛けで(on credit)」もしくは「無料で」という意味があるので、別物として考えた方が良さそうだ(ただし、この語源も、商人やバーテンダーが、自分のシャツの袖口に掛けの金額や名前をメモしたところから来ているとのこと)。

“I think it would sound so much more sincere if you gave an off the cuff speech.”

:「即興でスピーチした方がずっと誠実に聞こえると思うよ。」

When the CEO was asked about the possibility of going public next year, he made a comment off the cuff.

:来年の上場の可能性について聞かれ、CEOはとっさに(その場の判断で)答えた。

新聞などメディアでの使用例

He rarely speaks off the cuff in public. Even his seemingly impromptu gestures are often carefully choreographed, and he usually adheres to policy points when meeting foreign leaders.

:彼(習近平)は、公の場でぶっつけ本番で話すことはほとんどない。彼の即興に見えるしぐさですら、しばしば慎重に振り付けられた(考えられた)ものであって、外国の指導者たちと話す時は、政治的な論点に的を絞って話す。

(The New York Times – Trump’s and Xi’s Differences Magnify Uncertainties Between U.S. and China) 4)The New York Times – Trump’s and Xi’s Differences Magnify Uncertainties Between U.S. and China

参考動画:Charlie Chaplin-Funny song- Modern Times

チャーリー・チャップリンの映画「モダン・タイムズ」(1936年)では、”I’ll write them on the cuff.” (じゃあカフスに歌詞を書いておいてあげるわ)と言って、踊り子がチャップリンのシャツの袖口に歌詞を走り書きするシーンがある(この動画では30秒目あたり)。

このカフスは detachable cuffs という着脱可能なもので、どこかの時点でこれが袖から取れてしまう。チャップリンは本番になってから「カフスがない!」と気づきあわてるが、踊り子に “Sing!! Never mind the words.”(歌詞はいいから、とにかく歌って!!)と言われ、デタラメの歌詞をアドリブで歌う。

この様子を見ていると、off the cuff という表現は、「袖口に書いたカンペを頼りに」ではなく、「それすら頼らずに、即興で演技する、スピーチする」さまを言うのではないか?この映画が off the cuff の本当の由来、もしくはこのイディオムを決定的に広めたきっかけなのではないか?という気がしてくるが、ネイティブの間でも諸説さまざまなので、後は下記の資料を参考にして、各々考えて頂きたい。5)The Goods – Uncommon Knowledge: What’s the Origin of “Off the Cuff?”6)Off the cuff – “Off The Cuff”: Throwaway lines7)Language Log – The “off the cuff” mystery

Charlie Chaplin-Funny song- Modern Times

出典・参照   [ + ]

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